私という一個のワーカーが、ボードに置かれ、回収されるまでの記録
2000年代のボードゲームです。
90年代に急成長した、ドイツを中心とするボードゲームシーンが、一気に円熟していったのがこの年代です。ゲームはより多彩になり、複雑さを増し、より通好みのゲームが数多く発売されました。
現代に続く複雑系ゲームをシーンに定着させた2004年の「プエルトリコ」、ワーカープレイスメントの先駆けとなった2005年の「ケイラス」、独自のゲームデザインでファンを増やし続けるウヴェ・ローゼンベルク氏の記念碑的作品である2007年の「アグリコラ」、ボードゲームにおけるデッキ構築というシステムを確立させた先駆者にして到達点とも言える2008年の「ドミニオン」、協力ゲームを浸透させた立役者である2008年の「パンデミック」など、ボードゲームの歴史を作った数々のゲームが2000年代にリリースされました。
そしてその波は日本にも押し寄せてきます。2002年にはテレビゲームでお馴染みのカプコンが日本語版のカタンを発売。僕もそれで海外ボードゲームを知りました。
同年、エポック社より「アフリカ」「エルフェンランド」「ミシシッピークイーン」「ニューエントデッカー」「6ニムト!」の5タイトルが日本でも発売。その当時、ボードゲーム専門店ではなく普通のおもちゃ屋さんに海外ボードゲームが置かれたことに興奮した事を覚えています。
その後、2000年代後半頃からでしょうか、海外ボードゲームにインスパイアされた国産ボードゲームが次々に作られ始めます。ボードゲーム専門店でも日本人デザイナーの作品が置かれるようになりました。
こうしてドイツで始まったボードゲームのムーブメントが、世界中に広がって行ったのです。